前回からの続きです。2025年5月富良野線の駅を巡る旅の2回目。前回までは旭川市街地の駅ばかりでしたが、今回からだんだんとローカル感が出てまいります。つまり北海道のローカル駅の感じが強くなります。ではスタートです。
【西瑞穂駅】にしみずほ
旭川駅から数えて4つ目。所在地は旭川市西神楽1線9号。自治体こそ旭川市ですが、旭川の市街地からは外れております。神楽岡駅、西御料駅と同様開業は1957年。富良野線の旅客運用で気動車が導入されたことをきっかけに出来た駅です。バックグラウンドに旭川市街地が無いため、北海道特有のローカル駅の雰囲気となります。因みに乗降客数は極端に減って、15,6人/日程度。


完全にローカル駅。ホントに空が広い。一つ旭川よりの西御料駅とは2km強しか離れていませんが、完全に市街地からは外れております。

ホームと待合小屋が国道側にあり、駅の出入口は国道に通づる道路(踏切)の脇にあります。鉄骨軸組にPC板を乗っけているタイプのホームへは、スロープで上がってゆく形。かなり年季が入っている感じがする状態なので、もしかしたら開業当時のままなのかもしれません。

駅の反対側、ホームの向かいは機材の会社と民家が数軒あるぐらい。国道側は小さな集落が一つあり、少し離れた場所には学校と研究施設があるぐらいで、周囲の大半が農地。

線路の路盤面が少し高くなっている為、ホームは法面に建てられています。ホームからスロープを降りると砂利敷きの溜りがあり、その先は踏切内の道路につながっております。遮断機外にて外に出るには手前の砂利敷きの溜り場を左の国道側に折れるしかありません。実際この手の駅はローカル線の無人駅ではよく見かけます。というか溜り場の線路側と道路側踏切内側にも本来でしたら柵が必要なんでしょうけどね。


この待合小屋も開業当初からの雰囲気を醸し出しております。トタンの物置にしか見えない待合小屋です。一応中には長手方向にベンチがありますが、開口部はサッシも何もない出入口だけ。雨、雪、風、虫入り放題。もはや物置以下。外壁の塗装は何度かしているのか、思いっきり褪せている部分とそうでもなさそうな部分で色が違ってきています。本来は多分グリーン(ウグイス色)だったのかな?そんな感じのトタン波板の外壁です。

自立型の駅名標。地面支持のもの。周辺は開けているので、遠くの山並みも良く見えます。山頂の残雪も見えました。
西瑞穂駅は以上です。ようやく本気度の高い年季の入ったローカル駅に来た感じがして、満足度はかなり上がりました。一方、それでも主要国道に面しており、ホームの向かいには企業さんの建物もあるので、ローカル無人駅ではありますが、秘境感はありませんでした。
ということで次に向かいます。
【西神楽駅】にしかぐら
富良野線の準主要駅。交換設備もあり、駅舎も完備。元々は有人駅で貨物や荷物の取り扱いもあった駅です。現在は無人駅。開業はこの路線が開業した時と同じ1899年。当初は辺別(べべつ)駅として開業しています。1942年に現在の西神楽駅となったそうです。1986年に簡易委託化となり1999年には完全無人化。所在地は旭川市西神楽1条1丁目。この辺り(実は富良野線の神楽岡~千代ヶ岡までの間は旧神楽町)は1968年に旭川市に併合されるまでは上川郡神楽町という独立した自治体でした。つまりこの駅はその神楽町の中心地の最寄りであり、玄関としての機能を果たしていたようです。現在も旭川市役所の西神楽支所などがあります。乗降客数は75,6人/日。

富良野線の駅の中では珍しい駅舎のある駅です。鉄骨平屋のJR北海道の幹線でよく見かける意匠の建屋。山をモチーフとした看板造作ファサード。現在の駅舎は1989年に竣工したそうです。道路面からは階段を上がってゆく感じになっておりここがホームの高さとなっています。比較的綺麗な状態の駅舎でした。


で、駅前はこんな感じ。国道237号線に面しており、向かい側から神楽の中心の町が広がっている感じです。周辺は店舗や事務所、金融機関、市役所の支所や学校などもあり、小さいながらも都市機能が整っています。つまり町です。

駅舎内はガランとしています。勿論待合の機能としてのベンチはありますが、改札や出札の機能は無く、ただ不思議と広いスぺースだけがある感じになっております。1999年までは簡易委託の駅であったので、今のような不自然な広さを感じるというわけではなかったのでしょう。白基調の壁と天井に床はモルタル。この無機質な空間にポスターやお知らせ、注意喚起などなどが無造作に貼られております。なんかクール。

もはや出札の機能もない完全な無人駅。ということで、ホームへお邪魔させていただきました。2面2線のホームは片式。ホーム間は跨線橋で横断します。跨線橋がある交換可能な駅というだけでも、かつての繁栄を感じられます。片式ではありますが、2番線側のホームは反対側に引き込み線があるので、元々は島式であったかもしれません。構内には色々と分岐器があり、いたるところに道床が残っているので、それこそ貨物や荷物の取り扱いをしていたころは結構賑やかだったのではと想像できます。

北海道らしくまっすぐの線形の良い線路が続きます。旭川を出て5つ目の駅で初めての交換駅。各方面だいたい1時間に1本のダイヤなので、十分なのかもしれません。

こちら側は少しづつですが山というか丘陵地帯が近くなってきております。ホームは土盛りタイプの砂利敷きですが、ホームの端は既に砂利が無くなっている状態。草生してきてもおります。

昭和の味わいまんまの跨線橋。一見無機質な空間ですが、鉄骨のフレームに深緑の塗装がされていて、なんだかオサレ。ちょこっとですが、イングランドな感じがする空間でした。

跨線橋からの風景というのはどの場所でも上がるもので、立派に観光という範疇に入るのではと思ってしまいます。こちらは旭川の市街方面を眺めたところです。国道237号線と並行して走っている富良野線がホント一直線に市街に向けて伸びております。写真左側駅構内と思われる国道との間が不自然に開いているのがわかります。かつては色々と駅の設備、あるいは引き込み線なども多くあったのではと想像してしまうような空地が今も残っています。

山というか丘陵地帯がもうすぐそこから始まってゆきます。この丘陵地帯の向こう側が美瑛。見えてはいるものの実際は結構遠いし、この丘陵地帯結構奥が深いです。ここから線路は左方向へ曲がってゆきます。つまりこの駅までで長ーい直線区間はおしまい。

だいぶ年季の入っている駅名標です。名板は駅番号を入れてからの者だと思いますので比較的新しい方だと思いますが、フレームはかなり錆が出てしまっています。そろそろ塗装したほうがいいかも。

跨線橋を渡って2番線に来たのですが、片式ホームの線路とは反対側がこんな感じになっておりました。もはやどこまでがホームかわからない状態。勿論柵なんてものは無く、土の地面がずるずると裏の方まで続いている状態。何なら駅に隣接する隣家との間に小さな水路があるのですが、これを跨ぐ橋らしきものまであります。で、なんとなく道っぽくなっており隣家の脇を抜けて行動まで出られるようになっています。勝手踏切どころか勝手出入口。つまり勝手口。あれだけの駅舎がある駅にしては、実にゆるーい感じ。こーゆー所がたまりません!

線路手前のみどりのこんもりとしたところが2番線ホーム。もはやホームでもない気がします。

現役で使用されているホームは2つ。旭川方面、駅舎のくっついている1番線と、美瑛方面、ここの2番線。若干の斜配置。ホーム長さはそこそこあるのですが、端部はもはや原野に還りつつあります。で、この2番線の外、写真左側に引き込み線があります。恐らく除雪車用の留置線かなとも思いますが、その線路に向かってホームが傾斜しており、歩いて降りることができてしまいます。勿論降りてはいませんが。それこそ昔は3番線があったのかもしれませんが、作り方としては島式のそれって感じでした。
西神楽駅は以上です。イヤ~なかなか味わい深い駅でした。では次に参ります。
【西聖和駅】にしせいわ
ようやく本格的な北海道のローカル駅にやって参りました。西聖和駅。本格的なというのは周辺に何にも無い感じということです。まあ、正確に申しますと人の営みが感じられる建造物、造作が無いということです。勿論周囲には道路や田んぼもありますので、手が加えられていない自然が残っている場所かというとちょっと違うのですが、それでもローカル感はより一層感じられる場所であることは間違いありません。所在地は旭川市西神楽2線17号。まだまだ旭川市内でございます。西御料から始まった西シリーズもこの駅でおしまい。実に4駅連続で「西」がついている路線もここぐらいじゃないかなぁ~。開業は神楽岡、西御料、西瑞穂と同じ1957年。富良野線の旅客運用で気動車が導入されたことをきっかけに出来た駅です。乗降客数はなんとここへきて一桁の6~7人/日。う~ん。ヤバい。

空が広い。農地が広がる台地の風景に完全に溶け込んでいる駅です。ホームは1面1線。鉄骨軸組にPC板を乗っけている構造で、ホーム上に待合さえありません。とにかく乗降場としてのプラットホームがあるだけ。あとは転落防止の柵と駅名標と案内板。実に素朴で簡素な駅です。

出入口はスロープ。これは西瑞穂駅と同じつくり。柵の形状も同じでした。また、ここも出入口の先は踏切内となっております。丁度旭川行きの列車が入線したところ。勿論、乗降客は無し。

比較的新しい工作物が駅から少し離れた場所にありました。初めはいったいこれが何なのか全くわからなかったのですが、近づいてみると窓上に小さく「西聖和駅待合」と書いてありました。つまり駅の施設という事。付属している部分は駐輪場で、駅の利用者用という事。これだけ見れば十分立派な駅です。基本は鉄骨造の平屋ですが、駐輪場の腰壁はコンクリートブロックで積まれており、待合室の壁もこの仕様。屋根は金属製の折版。シンプルですがなかなか良いプロポーション。イケてます。

待合室の内装はベニヤ板張りなので、まあ、ねぇ~って感じでしたが、基本的なつくりは立派。ここならば風雪もしのげそうです。ホームまではちょっと離れているので、悪天候の時はちょっとシンドイかもしれませんが…。それでもあの何にもないホームで場合によっては1時間近くも待たなければならない事を考えれば、良い施設であることは間違いない感じです。

シンプルな1面1線のホーム。PC板の状態から開業当初から変わってい無さそう。白線や点字ブロックなどはありません。駅前には道道が通っております。民家も数軒は視界の中にありますが、駅周辺はほぼ何もない感じです。

自立型の駅名標。思ったほど朽ちてはいませんでした。むしろ新しいものの様でした。フレームは再塗装したのかな?そんな感じでした。

駅のインフォメーションボード。時刻表、運賃表、お知らせが掲示されております。上下方向とも1時間に1本程度。それでも本数は多い方だと思います。

ホームから美瑛方面を望んだところ。奥の雪山は大雪山系の山々。風光明媚な駅でした。因みに直線距離だけで行ったら旭川空港の最寄りはこの駅でなります。ターミナルの位置が滑走路の反対側なので道路沿いの距離ではお隣の千代ヶ岡駅の方が近いのですが、ロケーションとしてはそんな位置にある駅です。
ということで、今回はここまで。次はそのお隣の駅である千代ヶ岡駅からスタートします。
ではまた。








































































































































































