函館本線の八雲駅から始まり、噴火湾(内浦湾)沿いをぐるっと巡ってまいりましたが、今回の室蘭本線の旅も本回で終わりです。では残りあと少し、スタートです。
【黄金駅】こがね
黄金駅です。前回からの続きの感じがプンプンする感じの駅です。そうです。ロケーションが稀府駅とそっくり。ただ、こちらの駅の方がより海に近く、主要国道との距離も近いので、市街地としての広がりはあまり感じられない駅かなと思います。

シンプル。現駅舎は稀府駅と同じような時期に竣工しているようですが、こちらは「木小屋」のイメージ。防腐塗装で全面塗られた木材で外部を構成されている感じの、木造平屋の切妻小屋。でも、軒が出ていないのでどこか不自然な整形5角形のホームベース型。小屋全体で看板みたいな建物。それこそ稀府駅よりロケーションとしては海に近いので、イベント系の海の家?ってな感じも…。所在地は伊達市南黄金町。まだ、伊達市内です。駅舎回りは正面部がアスファルト舗装されております。

で、駅前はこんな感じ。このあたりまで来ると山というか丘陵地がかなり近くなります。平野部分がかなり少なくなってきております。駅前の道の先50mのところに国道37号線が走っており、国道周辺に集落がある感じです。国道沿いには店舗いや事務所などもあり、住宅街というよりは街道沿いの宿場(実際宿はありませんが)に近い雰囲気。

ホームは2面2線、片式と島式。元々は2面3線で中線を廃止した形式。1番線は下り東室蘭方面、2番線は上り長万部方面。2番線の島式ホームへは構内踏切にて横断する。稀府駅同様ホームは砂利敷き。ホームの全長はこれまで訪れた室蘭本線の駅の中ではいたって短い方。長大編成の旅客の扱いがこれまでも無かったのか、ある時期にホームを無くしてしまったのかは定かではないのですが、あまり余分なホームはありませんでした。

稀府駅より少しマシな程度。かなりクタびれてきております。フレームはその都度塗装している感じはします。名板に関しては塩で焼けている感じがします。海近いしね。

海近です。北舟岡駅ほど近くはありませんが、浜まで地続きな感じがあります。海岸線までは恐らく50mも離れていないと思います。それにしても保線がしっかりしております。全てPCの枕木。幹線ですからね~。周囲の風景と保線の良さのギャップがたまらなかったりもします!

2番線ホームの東室蘭方面端。ホーム端からそのままスロープで線路レベルになっておりそのまま構内の空地。草生しておりますが、上り線と下り線の間の子の空地が暫く東室蘭方面に続きます。ぱっと見ずーーーとホームが続いているようにも見えます。それにしても空が広い。架線も無いので、線路が見えていないところは普通に草地に見えます。

2番線ホームの長万部方面端。こちらも東室蘭方面と同じくホーム端はスロープで草むらに下りてます。丁度、特急の通過がありました。本数的には普通列車より特急の本数の方が多いので、遭遇する機会としては普通列車より当然多いです。このあたりかなり線形も良いので、結構スピード出しております。それぐらい保線も良いということの裏返しなのですが。因みに特急列車は上りが11本/日。上り普通列車が10本/日。このホームを旅客として利用する機会は10回/日。そして恐らく誰もいない時間帯に特急が11回/日に通過します。ホント、駅舎側じゃないホームは原野化しやすい理由がこんなところにある気がします。では、次の駅に参ります。
【崎守駅】さきもり
これまでずーーーーーと地べたの駅を巡ってまいりましたが、ここでいよいよ高架駅です!

はい。ドーン!まぁ、ねぇ~。地形的に仕方ないからこうなったって感じですけど…。どちらかというと橋梁の途中に駅作っちゃった感じです。恐らく室蘭本線唯一の高架駅なのでは。ロケーションとしては、山と山の間の谷部にあたるところに集落があり、そこに駅を設けた感じ。本来ならば、山裾をウネウネと山を迂回しながら線路を配置するのでしょうけど、このあたりの条件として、どかーーーんと橋梁とトンネルで直線にレールを敷いた方が理にかなっていたのだろうと思われます。というか、昭和になって鉄道幹線の速達化による路線の変更によるものと思われます。室蘭本線って主要幹線ですからね。で、速達化以前の路線ルート上にここら辺の集落の為、仮乗降場があったのを、新線建設にあたり、ここを駅としたのだろうと思われます。谷間で何にもなかったであろうこの周辺に駅を作るというのも確かに凄い。で、合間を縫っていた当時とは違い山の中を突き抜ける新線は、集落からしたら山の方。つまり駅を利用する為、集落の方々は山を登り駅へと向かうのです。(それほど登りはしませんが…)所在地は室蘭市崎守町。いよいよ室蘭市に突入です。 で、駅前はご覧の通り、こんな感じです。山登りしてゆく道の途中に突如として駅が現れる感じです。ただ駅前の道路はバス停があるので、ロータリー兼ねているのか、かなりバスの停車スペースが広くとられています。

とにかく山間に突如として現れる巨大工作物。高速道路のそれと感覚は一緒。で、駅へのアプローチはまるで高速バスの停留所に向かうような雰囲気。平日の夕方でしたが、人っ子一人いない感じ。もうそれです。実際かなり高低差があるので、駅前に到達するも構内まではそこそこ階段を登らなくてはならず、結構シンドイアプローチ。

確実に2階レベル?住宅で行ったら3階レベルの駅構内へ。構内といっても単純に道路面からしたら擁壁を登っただけの地盤面。因みにホームはまだこれより上。山の中の駅らしい雰囲気。勿論ですが、床面?地盤面は舗装されておりません。草ボーボー。高台の公園みたいなもの。

駅舎なんてものはありません!高台の公園より斜面に沿って階段を上がってホームへ行くような仕組み。雰囲気は完全に土手下、橋の下って感じ。これでも駅なんです。もうワクワク感とまりません!主要幹線の駅ですからね!あくまでも。

ホームは2面2線の相対式。ここは完全に形式としては都会のそれです。が、ここが山間部のローカル無人駅となると、ますます興味が倍増します!この形式。更にホームに屋根までついています。それでいて山間部のローカル駅。非電化。でも複線。で、高架駅なのです。勿論山間部なので、一方は空中に浮いていますが、もう一方では山を切り開いて駅がつくられておりますので、周辺地盤面よりかなり低い位置にあります。また、この駅ですが番線表記がありません。2線あるのですが、どちらが1番とか2番とかの表記が無いのです。今いる南側のホームが上り長万部方面で、海側。向かいのホームが北側で下り東室蘭方面。これもまた不思議。実際駅舎があった経緯が無いので、それも仕方がないのかもしれませんが…。

上方に土が被っていたら確実にトンネル内のホームにある、自立式の駅名標。この駅名標は比較的新しいものと思われます。かなり綺麗。

南側ホームより東室蘭方面を望む。これだけ見たら完全に山の中の駅。まっすぐ線路敷いた結果トンネルで山を貫いている様子が一目瞭然。海近を通る室蘭本線でもこの辺りは山がかなり海に近いので、このような結果となっているようです。ホームはトンネル少し手前まであります。因みに床は途中から舗装されておりません。

対して、長万部方面は橋梁の上。空中の駅です。こちら側は完全に舗装されております。作りも土盛りではなく鉄骨の軸組の上恐らくコンクリート平板で、その上にアスファルト舗装されているものと思われます。結構ホーム長もあり、そこそこの長大編成の列車も停車できそうです。

南側ホームからは海を望めます。かなり高い位置なので。駅周辺はそれほど大きくもない集落がある程度ですが、臨海地域には工場などがあり、室蘭工業地域の端っこであることを認識させられます。で、写真中央部分の空地、アスファルト舗装されている箇所がどうも旧線跡のようです。その先には工業地帯。臨海工業地帯に向かって鉄路が伸びていた感じ。実際貨物線としては数年前までこの駅の付近までレールがあり、ガントリークレーンのあたりに陣屋町臨港駅という貨物駅がありました。工業地帯といえどもだんだんレールが無くなりアスファルトに舗装されていきます。なんとなく線形だけがその記憶をとどめているようにも思えます。そんな情報量盛沢山の崎守駅。見どころ満載のとても面白い駅でした~!大満足!
【本輪西駅】もとわにし

本輪西駅です。所在地は室蘭市本輪西町。室蘭本線もこのあたりまで来るとだいぶ市街地に近く、というか工業地域のど真ん中って感じですが、国道に面するこの駅周辺はだいぶ賑やかになります。国道の通行量もかなり多く、騒音もそれなりです。また、駅の反対側は港のヤードとなっており、貨物用引き込み線の先には貨物船が停泊しているといった具合。ロケーションとしては室蘭市内の工業地域。海に面しているものの白鳥大橋より市内側の為、室蘭港内エリア。東室蘭の駅からは西北西に直線距離で4kmほどの位置。南側、港湾の反対側5km先には室蘭駅という位置。駅舎は最近のもので、竣工は2015年。鉄骨平屋。外壁は黒のガルバリウム鋼板角波板。ホントに最近の仕様。因みに駅舎といっても実際は待合室で、他の機能はありません。コンパクトで意外と開放的な待合室。どこか上品さも漂っている駅舎(待合室)です。手前に見えている遺構は旧駅舎の基礎だと思われます。旧駅舎は今の待合室の4~5倍の規模はあったと思います。旧駅舎の建てられたころは有人駅であったろうし、旅客以外に貨物や荷物の取り扱いもしていたと思いますので、当然と言えば当然の規模。新駅舎(待合室)の後ろに見えるのは跨線橋で、これは旧駅舎時代からの名残。

ホーム。1面2線の島式ホーム。なんと屋根付きです。そして跨線橋があるのです。完全無人駅で、跨線橋があるのはここまでの室蘭本線の駅では無かった気がします。また、ホームもなんとコンクリート平板!しかし、何故かホームの真ん中だけが未舗装。屋根があるのも1両分だけ。屋根は主要構造部が廃レールの小屋組みにブレース。屋根下地は木。で、鉄板葺き。往年の駅ホームの屋根の構造そのもの。また、塗装がフレーム部がウグイス色で、屋根下地が白というのも昭和感が強い印象。そしてこの駅も番線指定がありません。下り線が駅舎側、上り線が海側といったところ。

ホームより海側を望んだところがこんな感じ。海というか港ですが。港までの間はすっかり草生しておりますが、かすかにレールが見える通り、かつてはかなり多くの引き込み線があり、貨物需要が大変大きかった駅でもありました。この先が日本石油のコンビナートということもあり、最盛期にはタンク車250両も抱える一大貨物ターミナルだったそうです。それも今は昔。現在は使われていないそうです。

だいぶやられちゃってます。もうここまでくると、最初からこんな塗装だと思えるほどの錆アート!そこへきて消えそうな名板に錆汁。もう、アートで良いでしょう!これなら。

特急、貨物は通過する島式ホーム。緑の絨毯が敷き詰められています。室蘭市の工業地帯の無人駅。とにかく色々ギャップのある無人駅です。港湾の作業する音、国道を走る車の音等、静かな無人駅ではないのですが、平日の夕方に駅に誰もいない状況というのは、ここだけが空白というか、忘れられた記憶のように時間が止まっているようでした。(ちょっとロマンチック過ぎかな(テヘペロ))

そういえば、旧駅舎の一部も残っておりました。平屋木造。で、リニューアルされて綺麗になっておりましたが、実際何に使われているかはわかりません。で、よく見ると駅舎側にもホームの形跡がありました。というかホームかどうかは定かではないのですが、中線何本か挟んで駅舎に近接しているレールがあるということは、旅客じゃないにしても貨物か荷物の取り扱い用に使用されていたようにも見えます。北海道の中でも中核都市である室蘭の、もう一つの顔(工業、流通)としてこの駅は活躍していただろうと思われます。
さて、そんなわけで室蘭本線2023年8月の駅を巡る旅もこれにて終了。次回はどこになりますか、お楽しみに。ではまた。