今回は前回に引き続き宮崎の駅を巡ってまいります。2025年5月14日。宮崎神宮駅をあとにして次に向かったのは…。
【田吉駅】たよし
次に向かったというのは確かなのですが、南宮崎駅で乗り換えの時間があった為、途中下車しております。時系列順に追ってゆけばよかったのですが、この後にも2回ほど南宮崎駅には寄っているので、南宮崎駅についてはこの後にまとめたいと思います。
というまあそんな言い訳から入ってしまいましたが、田吉駅です。日南線と宮崎空港線の駅です。かなりローカル感のある地べたの無人駅ですが、宮崎空港線との分岐駅ということもあり、運行上は重要な駅となっております。特急は「海幸山幸」という観光特急以外は通過してしまいますが、空港線の分岐という意味では重要な駅です。因みに日南線の電化区間も南宮崎からこの田吉駅までとなっております。所在地は宮崎県宮崎市大字田吉。市内ですが大字がつく住所。ロケーションは農地と住宅地に挟まれた場所で、遠くに宮崎空港を望めます。開業は1913年ですが、開業当初は宮崎交通(宮崎軽便鉄道)というローカル鉄道(軽便鉄道)の駅で、南宮崎と内海を結ぶ路線の駅でした。1962年に宮崎交通が廃線となると同時にこの駅も一度は廃止されます。その1年後の1963年に今度は国鉄がこの区間を利用し、これまで本郷から志布志までの営業区間を延長して南宮崎から志布志までをつなぎ日南線として開業したことにより同年に改めて開業します。ところが1971年に利用者減の理由からまた廃止されてしまいます。ですが、1996年に宮崎空港線が開業ということになって運行上分岐の拠点として復活します。つまり今の駅は3代目ということになります。とても珍しい経緯のある駅です。

ホームは1面2線島式。点字ブロックはありますが、内側の巾が外側と同じ。勿論ホームドアはありません。通過列車もあるので、ホーム上で列車を待つのは結構大変です。駅の西側は住宅街となってますが、東側は農地。で、この先に宮崎空港があります。因みに住宅側が1番線で南宮崎方面、農地側が2番線で宮崎空港、志布志方面。日南線は単線なのですが、特急の運行もあるため普通列車の退避として2番線を想定しており、1番線を本線として1線スルー方式をとっています。ホーム長は1番線が5両編成対応で、2番線が4両編成対応の変形島式となっています。1日の平均乗降客数は40人を切っていますので、この駅の利用者を考慮すればここまでホームは長くなくても良いのですがね~。写真は志布志方面を見たところですが、空港線はこの先で左に分岐して宮崎空港まで伸びています。

こんな狭いホームでもベンチはあります。ただベンチがあるせいでホームを移動するときは点字ブロックの外側を歩かなくてはなりません。味があります!

ホームから階段を下りて地べた(地上)に来たところです。ホントにホームの巾が狭いので階段も結構狭い。一応安全柵の設置はありますが、段の部分は単管の手摺程度なので、何となく不安な感じです。まぁ、この駅を利用される方はほとんどが地元の方だと思いますので、慣れてはいるのでしょうけど…。因みに線路脇にある小屋は待合室。


で、駅前はこんな感じ。構内踏切を渡って住宅街方面が駅の出入り口となっています。また、駅に隣接して道路が直交してあり踏切があります。翌北海道なんかにもあるタイプの駅の構造ですが、ホームを降りたところが踏切内ということにはなっておりません。構内踏切とは区画されておりました。駅前はまさに住宅街といった印象。丁度農地との境界に駅がある感じで、駅の反対側は農地が広がっております。平日の昼間ということもあって人の往来はあまり無く、時々通る車の音と宮崎空港を離着陸する飛行機の音以外は聞こえないほんのりと穏やかな駅前でした。


駅のホーム同様これまたきわめて狭い待合小屋。天候によっては自然環境が厳しそうな場所でもあるので、駅で列車を待つ際はこのような施設はその意味を持ちますが、それにしても狭い…。妻側の出入り口と道路側、線路側に開口部があるので、昼間だと明るいことは明るいです。出入り口付近は屋根が伸びていますので、庇代わりに機能しております。敷地が狭いためか、なりに建てられているので結構不思議な形になってます。これも味ですけど。

余りにもホーム幅が無いもんだから、外から撮りました。自立型の駅名標。フレームの錆具合といいい文字のカスレ具合といい、結構出汁が出ています。このような風情ですが、隣の駅がちゃんと2つあるわけで、一応宮崎空港線の起点駅でもあります。

ホームの出入口付近には一応屋根があります。恐らく1両分だけかな?住宅地側の線路に沿った道路の線路際は駐輪場となっております。もしかしたら勝手に置いてあるだけかもしれませんが…。

農地側の線路沿いにも一応道路があります。ただ舗装はされておりませんので、恐らく農道かと思います。住宅地側もそうでしたが、線路との境界はフェンスできちんと区画されております。

1番線が5両編成に対応しており、2番線が4両編成まで対応しているといった変形の島式ホームである部分。こちらは1番線部分で、ホーム反対側については安全柵となっています。う~ん、2番線も頑張ればホーム出来そうなんだけど、やっぱり安全基準満たせないんでしょうね~。でも、もしそーであれば大阪の阪急の中津駅なんて到底ダメだと思うのですが…。ま、いいか。いろんな基準があるのでしょうから。ということで、上りの列車が来たので折り返し南宮崎まで戻ることにします。
【南宮崎駅】みなみみやざき
色々と前後してますが、南宮崎駅です。県を代表する主要駅の宮崎駅の南隣の駅です。その宮崎駅が県を代表する顔となる駅で、人の流れの拠点となる駅に対して、こちらの南宮崎駅は列車の運行上の拠点となる駅で、2路線が乗り入れ(運行上は3路線が乗り入れる)車両基地やJR九州の宮崎支社がある交通の要衝です。実際は宮崎発着の列車もここ南宮崎からの送り込みによって成り立っています。そのぐらい重要拠点。勿論優等列車はすべて停車。乗降客数では宮崎駅には及ばないものの、1日平均1800人以上はある駅です。所在地は宮崎県宮崎市東大淀2丁目。ロケーションとしては宮崎市街の中心を流れる大淀川の南側。宮崎駅とはこの大淀川を挟んだ対岸に位置します。地べたの昔ながらのターミナル駅。日南線の起点となっており、車両基地もあるため、常に列車の往来があるような感じの駅です。開業は1913年。宮崎交通(宮崎軽便鉄道)の赤井駅として開業。その後県営鉄道が延伸することにより大淀駅と改名。戦時中の1942年に現在の南宮崎駅に再改名となって現在に至るといった感じです。

駅舎全景です。RC3階?(表記上は2階らしい)建ての橋上駅。1回のピロティ部分が吹き抜けているので2階ということのようですが、構造上は3層。というか後ろ側の箱の中は絶対床面があるはずで、バックヤードだからあえて表記していないのかもしれません。竣工は1976年。だから60年弱の建物。高度成長期の日本の公共建築っぽい建屋です。1階は店舗(飲食)で2階(実際は3階)が改札口等の駅施設。改札階へは南北に2つある階段と北側に設置されたEV。ピロティ、大階段、上空にせり出した改札階、連窓(部分的ですが)とモビの要素を感じる建物で、なかなかそそります。塗装の褪せ具合もなかなか良い感じです。それでも2014年には改装工事されているようで、今青く塗装されている部分も昔は赤かったようです。

南国の雰囲気の駅前広場。やっぱりここにもフェニックスがあります。なんか昔の巨大プール施設に来たような感覚の駅。外階段がウォータースライダーのような…。言い過ぎか。

いや、結構プール感出てますよ!このカラフルなテント地の屋根は完全にプールサイドです。

駅前はこんな感じ。主要な道路が交差する駅前は電線が地中化されており道幅も広く大都市のインフラ感があります。ですが、そこに面する建物たちが…。なんといいましょうか、朽ちかけているというか、出汁が出まくっていると言いましょうか、駅舎と同じぐらい年齢を重ねておられ、もう少し若かったころは威勢が良かったであろうお姿でした。平日の午前中というのもあってか、車の往来はそこそこあるのですが、まず人がこの規模にしては殆ど歩いていません。哀愁を感じる駅前です。但し、この駅前より少し南側には巨大なイオンがあり、バスセンターも併設していることから、このあたりの人や物の流れ、あるいは集積地が駅ではなくこのイオンになっているようです。まぁ、車社会ということです。

1980年ごろから営業している食堂「ライオン」。建物と共に歩んできている感じの食堂です。残念ながら特にお腹が減っていなかったので、入りませんでしたけど、ちょっとそそられました。

2階?(3階?)もう、ちょっとわかりませんけどとにかく上階の改札階です。ステンレスの有人改札口っぽい造形が残る改札口ですが、やはりここもタッチ式の簡易改札機が設置されておりました。基本的に有人駅ではありますので、駅員さんは常駐しております。まぁ、特急停車駅ですからね~。駅舎内の雰囲気ですが、四方から外光が入るよう開口部等が設けられており、全体的に明るい感じの室内でした。内装は白基調で照明はFL。サッシなんかもお役所のような無機質さがあって、ある意味潔く清々しい。

改札を抜けると跨線橋となっており、これは元々は地上駅舎があったときからの名残だと思われます。勿論当時から改修はされているとは思いますが、この通路幅の狭さはかなりの年代物と思われます。それにしてもヴォールト屋根が半透明のポリカの波板なので、この狭い跨線橋でも窮屈な感じが一切しません。やるねぇ~。


ホームです。2面4線の島式です。駅舎側から1番線~4番線となっており、基本は日豊本線が使用しています。このホームの3,4番線は日南線、宮崎空港線が共用しております。ホームの大半は鉄骨造の軸組の屋根がかかっています。また、点字ブロックも設置されています。但し、ホームドアは無し。

1,2番線ホーム北端の様子。屋根もかかっていない部分ですが、端部のホーム高さが実に低いのがわかります。これは昔の名残。長大編成が行き来していた時代のものと思われます。ホーム幅も十分に広いので、その当時の賑わいが想像できます。


駅構内には宮崎車両センターがあるので、留置線が複数あり車両の滞泊、整備や列車組成などを行っているとのこと。「鉄」としては上がります。

で、こちらが駅に隣接するJR九州宮崎支社。もう道路レベルで道床があり、そこにキハ47が路面電車のように停車しているのだからたまりません。勿論、支社の敷地に立ち入ることはできませんが、なにせ駅のすぐ脇で、また線路までの距離が近くその間を隔てるものが無いので、体感的には構内にいるような気分にさせてくれます。
とまあ南宮崎駅はこんな感じでした。いろんな車両も見ることができるし、ホントに「鉄」にはたまらない駅の一つと言えるでしょう。
ハイ。そんなわけでまた長くなってしまったので、一旦ここで切ります。次回もこの続きとなります。
ではまた。